After the Rain『解読不能』ココロはロボットか、人間か?

出典:http://nbcuni-music.com/aftertherain/discography/

ボクも透明な空が
青く見えるはずなのに
不確かなココロも
君がくれた愛も
取りこぼしてしまう ボクには
エラーを為す存在
何ひとつ間違いじゃなくても
ほら 正解の証明に
なりやしないな
名称だって未設定の
もう不明なログデータ
未だボク達は
水たまりの向こう
愛情だっけ 無情だっけ
何度解凍したって知り得ない
何かが溢れ出しそうだ
もう放っておいて ねえ
どうして届きもしないのに
声を出せてしまうのだろう
名付けられすぎた
陰口やあだ名で
本当の名前すらも
名乗れなくなっていた
教えて
貴方は誰なの ねえ
沈黙の回答は 姿見の向こう
何回やったって 動作不安定な
イエスマン エミュレータ
誰も愛なんて
教えてくれやしない
分解したって デバッグしたって
塵一つも 見つけれない
確かな 見えないものが
脈を打っている
結局答えなんて
なかったようでした
成り立ちもしない(有りもしない)
問いかけは 解読できない
もういいよ
ねえ もういいよ
どうせいつかバグってしまう
感情のデータ
未だボク達は
水たまりの向こう
愛情だっけ 無情だっけ
何度解凍したって 知り得ない
何かが 溢れだしそうだ
解読不能が 頬を伝うの
放っておいて ねえ


はじめに

After the Rain『解読不能』は、アニメ「アトム ザ・ビギニング」のオープニングテーマとして使用されました。

アニメ「アトム ザ・ビギニング」は、あの「鉄腕アトム」の誕生までの物語をアニメ化した作品です。

「解読できない」のは何か。

アニメとリンクした、ロボット開発の苦悩を描いた歌詞なのでしょうか。

考察してみようと思います。

『解読不能』歌詞の意味

人間になろうとするロボット

ボクも透明な空が
青く見えるはずなのに
不確かなココロも
君がくれた愛も
取りこぼしてしまう ボクには
エラーを為す存在

機械のノイズの音から、フラットに始まる出だしのメロディ。

「エラーを為す存在」という歌詞は、機械的な、ロボットのような印象。

「エラーをためす」は、「試す」という漢字ではなく「為す」となっています。

この「為」という漢字、「為にする」という使い方にすると、「ある目的に役立てようとする下心をもって事を行う」という意味があるようで、何か、悪い予感がします。

何ひとつ間違いじゃなくても
ほら 正解の証明に
なりやしないな

自律思考型のロボットは、何が正解で、何が間違いなのか。

感情に、間違いはないかもしれないけれど、果たして開発者が望んだ正解なのか、わかりません。

名称だって未設定の
もう不明なログデータ
未だボク達は
水たまりの向こう

蓄積されていくロボットのログデータ。

しかし、正解が分からずに、実験は繰り返され、途方に暮れている様子でしょうか。

愛情だっけ 無情だっけ
何度解凍したって知り得ない
何かが溢れ出しそうだ
もう放っておいて ねえ

まふまふさんが歌うサビの「ねぇ」が力強く、訴えている感じがとても印象的です。

1番の歌詞は、実験を繰り返されるロボットに、人間のような感情があったなら、きっとこのように感じているのだろうという、ロボット目線の辛さのように感じます。


ロボットになってしまいそうな人間

どうして届きもしないのに
声を出せてしまうのだろう
名付けられすぎた
陰口やあだ名で
本当の名前すらも
名乗れなくなっていた

1番の歌詞の続きとしてみると、何か違和感のある2番の歌詞。

「名付けられすぎた 陰口やあだ名」から読み取れたのは、「いじめ」。

深い意味を感じる2番の歌詞の続きを見ていきましょう。

教えて
貴方は誰なの ねえ
沈黙の回答は 姿見の向こう

いじめている側に問いかけているようですが、回答はありません。

どうしていじめるのか、自分の意志で攻撃をしているのか、教えてほしい。

何回やったって 動作不安定な
イエスマン エミュレータ
誰も愛なんて
教えてくれやしない

「イエスマン」は、誰かの指示に対し、反対することなく、いつも「わかりました」とYESの回答をする人のこと。

「エミュレータ」はデジタル用語でOSやCPUなどの機能や動作環境を仮想的に作り出すソフトやハードのこと。

いじめを受けている側は、何度も理不尽な指示を出されても、反対すれば何をされるかわからず、自分の意志を言うことなどできません。

自分の中に感情を持たないもうひとつの機能を作り出し、「YES」をいうロボットのようになっていきます。

分解したって デバッグしたって
塵一つも 見つけれない
確かな 見えないものが
脈を打っている

しかし、それは表面上だけのこと。

心情は平気ではないのです。

人間なのですから。

狂いそうなココロ

結局答えなんて
なかったようでした
成り立ちもしない(有りもしない)
問いかけは 解読できない

大サビは、2番の歌詞から繋がっているようです。

いじめる側にいくら問いかけても返事はありません。

なぜ標的にされるのか、答えがわかりません。

いじめる側の気持ちが、解読できません。

もういいよ
ねえ もういいよ
どうせいつかバグってしまう
感情のデータ
未だボク達は
水たまりの向こう
愛情だっけ 無情だっけ
何度解凍したって 知り得ない
何かが 溢れだしそうだ
解読不能が 頬を伝うの
放っておいて ねえ

ラストのサビで、感情が爆発します。

話し合いができなければ、解決はできません。

「どうせいつかバグってしまう 感情のデータ」

もう我慢ができず、苦しさで気が狂ってしまいそうな感情が溢れだします。

何かわからず、ただ攻撃をしているのなら、「もういいよ 放っておいて ねえ」

最後の「ねえ」は、声圧で音響設備が壊れてしまうのではないかと思うぐらい、この曲の歌詞とリンクし、「やめてくれ」という悲痛な叫びに聞え、胸が苦しくなります。


まとめ

『解読不能』は、1番の歌詞はアニメとリンクしたロボット、2番以降の歌詞は、ロボットのような感情になってしまった壊れかけの人間のような、2面性のある歌詞だと考察しました。

デジタル用語がところどころ入っているので、アニメの内容のような歌詞に思えますが、実はそうではなかったようです。

2番の歌詞を考察してから、ラストの強く歌われる「ねえ」の感情を考えてほしい曲です。



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