40mP『SHAKER』歌詞の意味を考察・解釈

偽りと真実をシェーカーで混ぜ合わせ
ひび割れたグラスに注ぐ 愛 愛 愛
満たされたことなんてたった一度さえない
漏れ出した雫を舐める 愛 愛 愛

いつからだっけ いつからだっけ
覚えてないな 覚えてないや
もらったものはすぐ消えてゆくんだ
ああ 喉が渇いてきた

ねえ 足りない 足りない まだ足りないの
優しい嘘だけじゃ
そう 悲しみ 苦しみ 痛み 全部混ぜて
空っぽの心の中 注いでよ

干からびた砂漠で水脈を探してる
旅人が見つけた幻 愛 愛 愛
溜めすぎて溢れた涙がつくる海
そのどこか隅っこで浮かぶ 愛 愛 愛

漂ってたいな ただ酔ってたいな
夜の淵で 夢の中で
目が覚めたら また禁断症状
ああ 喉が渇いてきた

ねえ いらない いらない もういらないの
入りきらないから
って 一度でいいからそう言えるくらいに
空っぽの心の中 注いでよ
ねえ 足りない 足りない まだ足りないの
そう 悲しみ 苦しみ 痛み 全部混ぜて
ねえ 足りない 足りない まだ足りないの
優しい嘘だけじゃ
そう 悲しみ 苦しみ 痛み 全部混ぜて
溢れて壊れるほど
ねえ いらない いらない もういらないの
入りきらないから
って 一度でいいからそう言えるくらいに
空っぽの心の中 注いでよ

はじめに

『SHAKER』とは2019年4月19日にネット上で公開された楽曲です。
待望の40mPさんの新ナンバーがこの春、遂に登場しました。
クリエイターとしたの高い技術を持つだけでなく、画力までも持ち合わせて
いる40mPさんの今作に多くのファンやリスナーが注目しています。

MVでは一人の女性が登場しその手にはシェーカーを持っています。
シェーカーについては後程、説明します。
曲進行と共にさまざまなカクテルが登場したり可愛い猫が見れたりと視聴者
の目を楽しませてくれる作品でした。

歌の趣旨は少女の「愛の渇望」であり心を愛で満たしたいというものだと筆
者は感じました。
シェーカーと心をリンクさせたりしながら少女の奥深い感情を巧みに歌詞で
表現している点に注目してみましょう。

曲調は眠くならない程度のPOP感を保っており、昼下がりに炭酸を口にしな
がら軽い気持ちで聞くのがお勧めです(あくまで個人的意見 笑)
歌詞は少し重く考え深いので曲調の軽さが調和を保っていると思います。

それではさっそく歌詞の考察へと進んでいきたいと思います。

タイトル『SHAKER』とは

「SHAKER(シェーカー)」とは「カクテルを作る時、酒を入れて振る道具」
もしくは「それを振る人」を指します。
MVでも少女がシェーカーを振る姿が幾度か登場しています。
ですから上記の2つの意味が両方今作では当てはまると考えて良いでしょう。

またシェーカーで特にイメージされるものとして「混ぜる」と「注ぐ」という
動作だと思います。
この点は歌詞全体に反映されており「さまざまな感情を混ぜたり愛を注ぐ」と
いう歌詞が用いられています。

ですから普段からシェーカーを使ってカクテルを作っている人は余計に想像し
やすく感情移入しやすいと思います。

『SHAKER』歌詞の意味

偽り+真実=愛?

偽りと真実をシェーカーで混ぜ合わせ
ひび割れたグラスに注ぐ 愛 愛 愛
満たされたことなんてたった一度さえない
漏れ出した雫を舐める 愛 愛 愛

今作の主人公は一人の少女です。
MVの少女はどう見積もっても十代であり日本で考える
ならばお酒は法律的に飲めない感じです。

歌詞中で用いられている「シェーカー」は彼女の「頭」
を表しているのでしょう。
頭の中で「偽り」と「真実」を混ぜ合わせ一つの結論を
導き出すということを描写しているのだと解釈しました。

「ひび割れたグラス」とは彼女の「傷ついた心」でしょう。
思考を巡らした結果、彼女が周囲から受けたものは「愛」
であると結論づけたようです。

それでも彼女の傷ついた心が周囲から受けた愛で満たされた
ことは一度もありませんでした。
「これって愛なの?愛って満足できないの?」と彼女は頭の
中で色々な疑問を浮かべたに違いありません。

「漏れ出した雫」とは彼女が満足できないことへの不満や流
した涙を描写しているように思えます。
しかし周囲から受けた愛が「舐める」つまり一時的に不満や
涙を鎮める様について言及しているようです。

永続的渇望―満腹知らずの心

いつからだっけ いつからだっけ
覚えてないな 覚えてないや
もらったものはすぐ消えてゆくんだ
ああ 喉が渇いてきた

この部分の歌詞を黙想すると幼少期の彼女の感情と
今現在の彼女の感情とに変化があったことが理解で
きます。

幼少期には両親や友達などから注がれた愛で心を満
足させることができていたのでしょう。
しかし今は違います。

もらった愛はすぐに消えていき心は渇望するのです。
そう、満腹を知らないおなかのように次の愛を求め
て叫ぶのでした。

彼女は愛の渇きを訴えさまよい歩きます。

満たせぬ渇望―涙の海で溺れる

ねえ 足りない 足りない まだ足りないの
優しい嘘だけじゃ
そう 悲しみ 苦しみ 痛み 全部混ぜて
空っぽの心の中 注いでよ

干からびた砂漠で水脈を探してる
旅人が見つけた幻 愛 愛 愛
溜めすぎて溢れた涙がつくる海
そのどこか隅っこで浮かぶ 愛 愛 愛

彼女の心が発する愛の渇望は次第に激しくなって
いきました。
「足りない」という叫びが3回も繰り返され強調
されています。

さらに彼女は周囲から受けている愛が本当は「優
しい嘘」であったと理解したようです。
そして優しい嘘には本当の感情が何一つ含まれて
はいません。

彼女は空っぽの「優しい嘘」にがっかりしました。
ですから歌詞の続く部分で「悲しみ 苦しみ 痛み
」といった感情でもすべて受け入れたいとの願いを
露わにしているのだと読み解きました。

「干からびた砂漠で水脈を探してる」とは砂漠のよ
うに「渇いた彼女の心を潤すような愛」を探してい
るという描写です。

彼女がどれほど酷く愛に飢えているのか例証されて
います。
それでも心潤すその愛は「幻」のようなもので、少
女が見つけたと思えると同時に消えていくのでした。

真実の愛、つまり心の渇きを永続的に満たす愛はな
かなか見当たりません。
彼女は寂しさや侘しさ、またどうしようもない孤独
感に苛まれ涙が止まりません。

涙で海が出来ると例証されるほどに泣いたのでしょう。
そして世界を包んでいる海のどこかで彼女を満足させ
ることのできる愛が存在することを歌詞は暗示してい
ます。

夢に酔いしれて―「ラブコール依存症」

漂ってたいな ただ酔ってたいな
夜の淵で 夢の中で
目が覚めたら また禁断症状
ああ 喉が渇いてきた

「漂う」ことも「酔う」ことも共通点があります。
それは身を楽にして自分の意志を働かせていない
状態だということです。

人は常に自分の意志を働かせて行動します。
しかし彼女は思考を停止して夢の中で理想の愛に
酔いしれていたいのです。
夢の中を自由に漂っているだけで幸せに思えました。

しかし目が覚めると決まって「禁断症状」のように
愛の渇望が始まるのです。
喉の渇きを訴えるかのように心が愛を求めます。

喉の渇きであれば冷蔵庫か蛇口へと足を急がせるだ
けですが愛の場合はそうはいきません。
彼女の足は一歩も動けずに立ち止まります。
心を満足させる愛への行先を彼女は知らないのです。

立ち尽くす彼女をワガママな子供のように心は急か
します。
当惑の表情を浮かべる彼女は首を横に振り「無理だ」
と心に返答したことでしょう。

しかし心はシェイカーを縦に振るように「うん」とは
言ってくれません。
縦横無尽に愛を探し求めてきた彼女は疲れ果てるも、
今も鳴り止まない心の渇望に悩まされるのでした。

彼女の病名は「ラブコール依存症」と呼べるかもしれ
ませんね。

まとめ

いかがだったでしょうか。
愛に満たされない一人の哀れな彼女が忠実に、
そしてリアリティ溢れる仕方で歌詞に表現され
ていたと思います。

愛を定義づけるのは非常に難しいことですね。
まして今作に登場した少女のように十代の頃か
らそれを断定するのは困難なことでしょう。

テレビや雑誌、またネットや誰かの教えに影響
を受けて自分なりの愛の解釈を模索しているの
かもしれませんね。

またある分野に関して本当のことに到達できな
いと疲れ果て「夢」という場所に逃げ込みたく
なることもあるでしょう。

誰しも経験する出来事を今作は非常にキャッチ
―な仕方でリスナーに提出していたと筆者は感
じています。

40mPさんの今後の活動と次回作に期待し注目
していきたいと思います。

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