中島みゆき『糸』歌詞の意味・解釈と考察

中島みゆきさんの『糸』とてもいい曲ですよね!

しかし歌詞の意味まで読み解いてる人は少ないと思います。

そこで今回も私、砂糖塩味が『糸』の歌詞の意味を解釈してみたいと思います!

タイトル『糸』の意味

みなさん「糸」と聞いてどんなイメージ膨らませますか?

縫い糸、毛糸、蜘蛛の糸。

この世界には様々な糸が存在しています。

いずれも1本では、か細く、しかしながら強くしなやかでもあります。


『糸』のテーマ

中島みゆきさんの『糸』は元々ウエディングソングとして1992年に制作されたものでした。

20年以上経った現在でもウエディングソングの定番であり、いかに『糸』という曲が多くの人たちに愛され続けてきたかが分かります。

「1人の人間」を「1本の糸」に例えて、出会いの喜びを歌っている歌詞が、結婚式で人気の理由ではないでしょうか。

しかし今回は少し違った角度から考察していこうと思います。

キーワードは「孤独」と「運命」です

中島みゆき『糸』の歌詞の意味

「私」とは?

なぜ めぐり逢うのかを

私たちは なにも知らない

いつ めぐり逢うのかを

私たちは いつも知らない

「私たち」はめぐり合うことに関して、全くの無知であるという歌詞から始まります。

つまりこの時点では、誰とも出会っていません。

「私たち」…英語ではWeですね。

主語である「私たち」はひとつの集団のようにも聞こえますが、それは一致団結したチームのようなものではありません。

なぜなら、彼らはめぐり逢うことを何も知りません。

「知らない」という歌詞が過去形でもない点から、出会いがあるのは未来の話だと分かります。

「私」とはそれぞれが一人、孤独を感じている人達だといえます。

したがって今回の『糸』の歌詞の考察では、

「私」=「孤独を感じている思春期の少年または少女」

という視点で解釈したいと思います。

どこにいたの 生きてきたの

遠い空の下 ふたつの物語

どこにいたかも、どんな生き方をしてきたかも分からない。

ひとつの物語だった「私」が、もうひとつの物語と出会う場面です。

紡がれるもの

縦の糸はあなた 横の糸は私

織りなす布は いつか誰かを

暖めうるかもしれない

布…出会いによって生まれた新しい物語

人間はみな自らを構成する物語をもっています。

糸(ひとりの人間)は繊維(物語)から紡がれ、

その糸と、別な糸が出会うことでまた新しい物語が紡がれてゆきます。

布が織られる姿を、人と人とが出会うことに例えて表現しています。

今は、ひとりで孤独を感じるかもしれないけど、

あなたは、この世界に出会うべき人がきっといるのだ。

そしてきっと 、その出会いが、世界にはあなたがやるべきことがあると気づかせてくれるだろう。

まるで中島みゆきさんが若者達に語り掛けているようですね。

ひとりでいる「私」

なぜ 生きてゆくのかを

迷った日の跡の ささくれ

夢追いかけ走って

ころんだ日の跡の ささくれ

ささくれ…とげとげしく荒んだ、思春期の少年少女の心

・生きていく理由を見失う

・夢を追いかけていたが、挫折を味わう

どちらも思春期に誰しもがぶつかる壁だと思います。

ささくれだった思春期のこころを、皮がむける「ささくれ」に例えて表現した素晴らしい歌詞です。

こんな糸が なんになるの

心許なくて ふるえてた風の中

自身をなくした少年少女の姿を表現した歌詞です。

「こんな俺がいったい、何の役にたてるのだろう?」

「私なんか、この世界からいなくなってもいいんじゃないか?」

という思春期の叫びにも聞こえてきます。

またこの部分の歌詞では、「迷った」「ころんだ」という過去形が使われています。

もしかしたら、中島みゆきさんも、ささくれだった1本の「糸」だった過去があるのかもしれませんね。

出会いの「仕合せ」

縦の糸はあなた 横の糸は私

織りなす布は いつか誰かの

傷をかばうかもしれない

布(新しい物語)の、別な可能性を表しています。

先程は「暖めうるかも」でした。

これは、誰かを笑顔にできる力があるという意味です。

そしてこの部分では「傷をかばうかも」です。

これは、傷ついた誰かを守ることができるという意味です。

仕事なのか日常なのか、それは分かりません。

でも確かなことは、人は出会うことによって、思いもよらぬパワーを生み出せるということです。

縦の糸はあなた 横の糸は私

逢うべき糸に 出逢えることを

人は仕合せと呼びます。

仕合せ…めぐり合わせ、または幸運

布を織る縦の糸と横の糸は、選ではなく、垂直に点で交わるものです。

もしかしたら一生交わることがなかったかもしれません。

そんなめぐり合わせの奇跡、その喜びを表現した言葉が

仕合せ

という言葉なのです。

出会うことの喜び、そしてそんな軌跡があなたの人生にもきっとあるのだ。

かつてはラジオで若者の悩みを聞いていた中島みゆきさんらしい、孤独に悩む少年少女に向けた応援歌ですね。


最後に

今回は、結婚式の定番である中島みゆきさんの「糸」をちょっと違う角度から考察しました。

もともとウエディングソングとして書かれたものです。

しかし「思春期の若者への応援歌」として聞いてみることで、「糸」が持つ世界がさらに広がって、より一層特別なものになることでしょう。

みなさんにも「仕合せ」があることを祈っています。



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