砂糖塩味の「楽曲考察・解釈記」

楽曲の歌詞やMVから意味の解釈・考察をしていきます

Mr.children『himawari』歌詞の意味・解釈と考察

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私はそんな方々の代わりに楽曲の解釈・考察をして、新たな音楽の楽しみ方を提供したいと考えています。
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Mr.childrenの『himawari』とてもいい曲ですよね!

しかし歌詞の意味まで読み解いてる人は少ないと思います。

そこで今回も私、砂糖塩味が『himawari』の歌詞の意味を解釈してみたいと思います!

 

Mr.children『himawari』の意味

ひまわりといえば夏の風物詩ですよね。

太陽に向かって咲くことから漢字では「向日葵」と表記します。

 

ひまわりの花言葉のひとつに「私はあなただけを見つめる」というものがあります。これは成長途中の若いひまわりが太陽を追うようにして動く性質に由来しています。

 

「私はあなただけをみつめる」

「若い」ひまわり

 

この二つが「himawari」を考察するキーワードになってきます。

 

『himawari』のテーマ

Mr.children桜井さんが、映画「君の膵臓をたべたい」のために書き下ろした曲です。「himawari」の歌詞の中に表現されているストーリーも映画とつながっています。

 

歌詞の登場人物は、余命が残りわずかだと宣告された少女「君」と、彼女に恋をしている「僕」。

 

ひまわりの花言葉については冒頭でも触れました。

これが最大のテーマになっています。

 

「若さと別れ」

 

今回はこのテーマを軸に歌詞の意味を解釈していきたいと思います。

 

Mr.children『himawari』の歌詞の意味

訪れる別れ

優しさの死に化粧で

笑ってるように見せてる

君の覚悟が分かりすぎるから

僕はそっと手を振るだけ 

 

死に化粧…遺体を棺に納める際に清めること。

 

余命残りわずかであると宣告された「君」。

彼女が「僕」に見せる強さ・優しさが表現された歌詞です。

 

「君」は自分の寿命を悟りながらも「僕」に笑いかけています。

 

「僕」もその事実を知っているからこそ、

「君」の笑顔が化粧…上辺のものだと分かっていながら手を振ることしかできません。

 

「ありがとう」も「さよなら」も僕らにはもういらない

「全部嘘だよ」そう言って笑う君を

まだ期待してるから

 

(今まで)「ありがとう」「さよなら」の言葉…つまり別れの言葉が必要ないのは 、別れが現実的なものとして目の前に迫っているからです。

 

現在のこの状況を「ドッキリでした!全部嘘だよ」と「君」が冗談っぽく笑う姿を想像してしまいます。

 

「君」と「僕」がいる場所は?

いつも

透き通るほど真っ直ぐに

明日へ漕ぎだす君がいる

眩しくて 綺麗で 苦しくなる 

 

 「君」と「僕」の死を受け入れる姿勢の違いが表現された歌詞です。

 

「君」…真っすぐに死と向き合い、受け入れたうえで明日(前向き)を見ている。

「僕」…そんな「君」の姿が眩しくて苦しい。「君」の死を受け入れられない。

 

暗がりで咲いてるひまわり

嵐が去ったあとの陽だまり

そんな君に僕は恋してた

 

「僕」にとって「君」は

未来のない暗闇(死)の中でも光の指す方向を向くひまわりであり、

自分の気持ちが真っ暗になってしまっても優しく迎えてくれる陽だまり

 だと感じています。

 

ここでの「暗がり咲いてるひまわり」という歌詞は、「君」という陽だまりの方を向いて咲く「僕」のことも表現されているのかもしれません。

 

そして「愛していた」ではなく「恋していた」という歌詞から

「僕」の若さ、青春の匂いを感じ取ることが出来ます。

 

未来に影が射す

想い出の角砂糖を

涙が溶かしちゃわぬように

僕の命と共に尽きるように

ちょっとずつ舐めて生きるから

 

角砂糖…2人の甘く淡い思い出が詰まった例え

「僕の命と共に~」…死ぬまで彼女の死を忘れられないだろうという思い

 

「僕」はどうしても「君」の死を受け入れられません。

死ぬまで「君」との思い出(角砂糖)を忘れられないだろうという感情が表現された歌詞です。

 

だけど

何故だろう 怖いもの見たさで

愛に彷徨う僕もいる

君のいない世界って

どんな色をしてたろう?

違う誰かの肌触り

格好つけたり はにかんだり

そんな僕が果たしているんだろうか?

 

愛に彷徨う…「君」以外の女性を求める姿

 

「君のいない~はにかんだり」の歌詞は、「君」のいない人生に対する「僕」の思いが表現されています。

 

自分がそんな風に生きていけるのかと自らに問いを投げかけます。

これは反語的表現でしょう。

 

そんな僕がいるだろうか?(いや、そんなの無理だよ!)

 

このままでしか生きられない

諦めること

妥協すること

誰かにあわせて生きること

考えてる風でいて

実はそんなに深く考えていやしないこと

 

「僕」はこれまでの生き様を振り返ります。 

 

諦めたり、妥協したり、それらしい理由を付けて選択しているつもりでも実際は周囲に流されているだけなのではないか? 

 

思いを飲み込む美学と

自分を言いくるめて

実際は面倒くさいことから逃げるようにして

邪(よこしま)にただ生きている

 

自分のエゴを出さず、周囲の空気を読むことができる風を装って、本当は自分を表現することによって恥をかいたり、人間関係のいざこざが生まれたりすることから逃げているだけではないか? 

 

「僕」は自信の生き方を「邪(よこしま)」という言葉で表現します。 

 

そして明らかになったのは「君」に惹かれる理由です。

 

いつまでも君の姿を

だから

透き通るほど真っ直ぐに

明日へ漕ぎだす君をみて

眩しくて 綺麗で 苦しくなる

暗がりで咲いてるひまわり

嵐が去ったあとの陽だまり 

 

 自分の邪さと対極にあるような「君」の心、いつでも光のある方を向ける強く美しい精神に惹かれていることが分かります。

 

気付いたうえで、やはり「君」のように死を受け入れ前向きに生きていくことが出来ません。

 

そんな君に僕は恋してた

そんな君を僕は ずっと

 

「ずっと」で歌詞が切れています。

これは空白を想像させる効果もあると思います。「ずっと愛してる」かもしれませんし、「ずっと忘れないよ」かもしれません。

例えば「ずっと愛してる」という歌詞だったら、未来を生きていこうとする「僕」の姿を感じ取ることが出来ます。

 

しかし、「君」の死を受け入れられない「僕」はこれからどうやって生きていくべきなのか分からない状態なのです。

ラストの歌詞が「ずっと」で途切れているのは、続く言葉がまだ見つからない「僕」の後ろ向きな精神が表現されているのではないでしょうか。

 

「僕」というひまわりは未来ではなく、別な方向を向いて咲いています・

 

 

その場所はひまわりの花言葉が教えてくれます。

 

私はあなただけをずっと見つめてる

 

最後に

Mr.children『himawari』の歌詞の意味、解釈を「若さと別れ」というテーマで考察しました。

桜井さんの書く歌詞はハッピーなものもたくさんありますが、『himawari』の歌詞は恋する女性の死を受け入れることが出来ない少年の心の葛藤を描いた、少しダークなものなのかもしれません。

 

映画「君の膵臓をたべたい」の内容ともリンクする部分があって、聴いている人をグッと世界に引き込む秀逸な歌詞だと思います。