砂糖塩味の「楽曲考察・解釈記」

楽曲の歌詞やMVから意味の解釈・考察をしていきます

ryo『メルト』歌詞の意味・解釈と考察

フォロワー5000人ありがとうございます!!
作者の意図や訴えを知ること、考えることでその音色は何通りにも変化します。
しかしながら多くの方々はメロディーと歌声ばかりに耳が向き、「作曲された意図」を考えていません。
私はそんな方々の代わりに楽曲の解釈・考察をして、新たな音楽の楽しみ方を提供したいと考えています。
「楽曲考察」の文化を一緒に築き上げて行きたいです。

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ryoさんの『メルト』とてもいい曲ですよね!
しかし歌詞の意味まで読み解いてる人は少ないと思います。
そこで今回も私、砂糖塩味が『メルト』の歌詞の意味を解釈してみたいと思います!

 


タイトル『メルト』の意味

メルトとは日本語で溶けるという意味

恋をした時の溶けてしまいそうな心境を表します。

ボカロオリジナル曲の代名詞といってもいい名曲で、メルト=曲と連想する人も多いでしょう。

 

『メルト』のテーマ

真っ直ぐな恋心を歌った曲です。歌詞を見ても奇をてらったような箇所はありません。

 

作者のryoさんは「いい意味での青臭い歌詞が魅力」という定評があります。

その評判通り、恋の感情がこれ以上ないほどストレートに表現されています。

 

ryo『メルト』歌詞の意味

片思いの主人公

朝 目が覚めて
真っ先に思い浮かぶ 君のこと
思い切って 前髪を切った
「どうしたの?」って 聞かれたくて

主人公は「君」に恋をしています。

 

主人公と”君”の関係は友人です。

単なるクラスメイトなら髪を切ったことに触れるかわかりません。

「どうしたの?」と聴いてくる可能性があるなら、そこそこ話す間柄と推測できます。

 

恋をして可愛くなる

ピンクのスカート お花の髪飾り
さして 出かけるの
今日の私は かわいいのよ!


恋をした主人公は、おめかしに磨きをかけるようになります。
前髪を切ったのもその1つです。

 

それまで前髪が長かった事から、あまり活発ではなく、おとなしい性格だと思われます。

「A secret makes a woman, woman(秘密は女性を美しくする)」という有名な英文がありますが、恋も女性を美しくするものです。

 

恋に焦がれているのではなく、本当に君が好き

メルト 溶けてしまいそう
好きだなんて 絶対にいえない…
だけど メルト 目も合わせられない
恋に恋なんてしないわ わたし
だって 君のことが …好きなの


メルトのサビ部分。ここは特に解説するところはありません。
ものすごくストレートな歌詞であり、ここだけで恋の歌というのが分かるくらいだからです。

 

あえて解説するなら「恋に恋なんてしない」の部分でしょうか。
恋に焦がれているのではなく、本当に君の事が好きと歌っています。
最後に「だって君のことが…好きなの」と強調している事からも分かります。

 


ここまでで『主人公は君のことが好き。だけど告白できない』と描写されました。
おそらくほとんどの人が体験しているであろう感情です。

 

2番では、主人公の恋がほんの少し進展します。

 

嬉しくないオリタタミ傘

天気予報が ウソをついた
土砂降りの雨が降る
カバンに入れたままの オリタタミ傘
うれしくない ためいきを ついた 
そんなとき



ここは『メルト』の中でも最も解釈が難しい部分です。

 

主人公はオリタタミ傘を持っている。にもかかわらずうれしくない。

これはどういうことか?


個人的解釈ですが、このシーンは「きみ」に傘を貸してもらったのだと思います。
雨の中、自分がぬれることも構わずに。

 

主人公は「オリタタミ傘を持っているから大丈夫」と言う事も出来たはず。

でも傘を貸してくれた事が嬉しいし、無下に断るなど出来ません。


かといって変わりにオリタタミ傘を貸したとしても、お互いに傘を交換する形になるだけ。それならそもそも傘を返したほうが早い。

この時点でオリタタミ傘を出すタイミングが完全に失われている訳です。

 

いつもならラッキーなオリタタミ傘が、今は邪魔に感じて「うれしくない」。”君”に貸すことも取り出すことも出来ず、「ためいきをついた」のです。

 

「しょうがないから入ってやる」の意味

「しょうがないから入ってやる」なんて
隣にいる きみが笑う
恋に落ちる音がした


主人公が複雑な気持ちになったそんな時、「きみ」が言いました。
「しょうがないから入ってやる」


サラッと描かれていますが、このシーンを詳しく想像してみましょう。

 

きっとこのセリフが出る前、こんなやりとりがあったと思うんですよ。

 

 

「この傘借りちゃったら、アンタが濡れちゃうじゃない!」
「別になんとも無いよ。帰って乾かせばいいんだし」
「でも……いいよ、やっぱり返すから」
「は? そしたらお前が濡れちゃうじゃん」
「そうだけど……」

 


主人公はオリタタミ傘は持っているけど、濡れるのを構わずに傘を貸してくれたのが嬉しくて言えない。

「君」の方は主人公がオリタタミ傘を持っている事を知らないので、濡れる事を気にしているとしか思っていない。


この部分は、お互いの思いがすれ違っていると言えます。
恋愛モノでお約束の”スレ違い”が、片思いの状態で表現されています。

 

そして、あたふたする主人公を見た「きみ」は、傘に入って言います。

 

「そんなに濡れるのが気になるなら、俺も入ってやるよ。これで俺も濡れないし、気にならないだろ?」


このセリフと予期せぬ相合傘で、主人公は完全に恋に落ちたのです!


素晴らしいです! 甘酸っぱすぎます!

まるで青春ドラマの1シーンのよう。私こういうの大好きです。妄想が捗ります!

 

届く距離=告白できる距離

メルト 息がつまりそう
君に触れてる右手が 震える
高鳴る胸 はんぶんこの傘
手を伸ばせば届く距離 どうしよう…!
想いよ届け 君に

 


「君に触れてる右手」や「はんぶんこの傘」、「届く距離」などはもちろん相合傘を意味しています。


ポイントは「手を伸ばせば届く距離」。相合傘なら伸ばさなくても手は届きますよね。

これは『今なら告白出来る』という意味です。

 

でも実際には告白出来ず、想いが通じてくれればいいのにと考えています。

 

お願い 時間をとめて 泣きそうなの
でも嬉しくて 死んでしまうわ!


好きな人といて、『このまま時が止まってしまえばいいのに』と思った人も多いでしょう。

主人公もそう思っています。

大好きな「君」と相合傘をしているこの状況が嬉しい。
でもずっと続く訳はなく、いずれ終わってしまうのが悲しい。


この状態をずっと続けるには告白するしかありませんが、主人公はそれが出来ません。

 

告白する想像

メルト 駅に着いてしまう…
もう会えない 近くて 遠いよ だから
メルト 手をつないで 歩きたい!
もうバイバイしなくちゃいけないの?

今すぐ わたしを 抱きしめて!
…なんてね

 

 

「近くて」はお互いの距離、「遠い」は心の距離をさします。

「もう会えない」は『もうこんな時間は来ない』、つまり相合傘になるチャンスはもう来ないという意味と捉えました。


「今すぐ私を抱きしめて!」と告白する想像をし、その直後に自分の妄想を自分で笑います。
思うだけで言えないよね……と。

 

メルトの物語はここで終わり、ゴールが描かれません。

主人公の恋心のみに注目した曲です。

この恋はどうなったんでしょうかね。

個人的には実っていて欲しいと思います

 

 

最後に

以上、『メルト』の解釈でした。

ボカロ史に残る名曲であり、歌詞もシンプルかつストレート。
しかし改めて読み解くと、非常に奥深い曲だと思わされます。

今回はとても個人的解釈満載なストーリーを書いてしまいましたね。
『メルト』の魅力が伝わって頂ければ幸いです。